Neurobiology for Vocal learning

  『発声学習 (vocal learning)』は、ヒトの言語や小鳥の歌といった音声コミュニケーション形成に重要です。しかし、それらが脳内の神経回路・遺伝子によって、どのように制御されているのか?、どのように発達し?、進化してきたのか?まだ、ほとんど理解させていません。これらの問題を行動・神経回路・神経細胞・シナプス・遺伝子レベルで理解することを、当研究室では目指しています。

 

 ヒトの言語を含めた多くの発声学習行動は『生まれ(遺伝)と育ち(環境)』の両方の影響を受けて個体差・種差を形成します。遺伝と環境とがどのタイミングで、どのように相互作用しているか?そして、動物自らが生成する発声という自発的行動そのものが、どのような役割を演じているのか?「発声行動学習」を通して、『個の確立』がいかになされるのか生命科学的に理解することを目指し、研究を行っています。

 

 その研究戦略として、鳴禽類ソングバードを動物モデルとして音声発声学習(さえずり学習)、及びその学習臨界期の研究を進めています。 (下図及び、イントロダクション 参照)

 

 

<現在取り組んでいる主要な研究対象>  

 (詳細は内容 参照)

 

- 発声学習と学習臨界期制御に関わる神経分子メカニズムの解明

 :感覚運動学習とその学習臨界期制御を 神経活動依存的なエピジェネティクス制御の観点から理解する

 

- 発声行動パターン進化・個体差生成の神経分子基盤の解明

 : 動物種特異的な発声行動パターンはどのようにして生成され、 進化してきたのか?そのゲノム分子基盤を探る

 

- 動物モデルを用いた発話コミュニケーション障害への応用研究 

 : ヒトの言語コミュニケーション障害(特に吃音と聴覚障害)の動物モデルから考える「生まれと育ち」

 

 

<News!>

2018, June 8th

 森千紘さん(卒業生)が在籍時に行った研究が論文としてScientific Reports誌に掲載されました。内容は、毎年歌の一部を再学習するカナリアが聴覚情報に頼らなくても、個体ごとにユニークな歌を再発達するということを報告しました。遺伝的に歌パターンの個体差が生成されると同時にそれが再帰性をもつことを示しました。

 なお、この論文は現Colgate UniversityのDr. Wan-chun Lieとの共同研究でもあります。研究開始から論文として掲載されるまで時間がかかりましたが、森さんよく頑張ってくれました。

 

2018,  June 5th

 Korea Brain Research Instituteで和多がセミナーをしてきました。ホストになっていただいた小島さん、どうもありがとうございました。発表では会場から思っていたよりも多くの質問・コメントをいただき、言いたいことが伝わった感触をもてました。

 

2018, April

新年度に、博士研究員として田路矩之さん、修士一年に杉岡凛太朗君、4年生に鈴木夢乃さんの3名が新たに研究室に加入しました。今後の健闘に期待します。楽しみながら、アンビシャスな研究を目指しましょう。

2018, March 23

早瀬君、WuさんのFarewell party。早瀬君、長い間和多研を支えてくれました。本当にありがとう。残りの論文しっかりと出していくぞ。Wuさん、違う分野から入って2年間でよく頑張って修士号を取りました。2人の将来を心より祝して。ここで頑張り抜いたのだから、どこにいっても大丈夫。